決算変更届(事業年度終了届)

決算後4か月以内に決算変更届(事業年度終了届)を提出

建設業の許可業者は、税務署への確定申告とは別に、決算後4か月以内に前年の事業年度について、建設業法第11条の決算変更届(事業年度終了届)を届出ます。決算変更届は、税務申告用の決算書から、一部の勘定科目を建設業法規則の指定する様式に振替えたり転記したりして作成した、建設業の財務諸表や工事経歴など所定の資料です。
公共工事の入札参加資格を得るためには、建設業の許可は当然ですが、決算変更届で届け出た財務状況や所定の資料により経営事項審査(経審)を受け、経営規模等評価結果通知書を受領していることが必要となります。

決算変更届の中身

決算変更届の中身は次のとおりです。
・前年の工事経歴書
・直前3年の工事施工金額(通称「直3」)
・建設業の財務諸表(前年の決算内容を建設業財務諸表に振り替える)
 ①貸借対照表
 ②損益計算書
 ③完成工事原価報告書
 ④株主資本等変動計算書
 ⑤注記表
・事業報告書(特例有限会社を除く株式会社)
・納税証明書(法人:知事許可・法人事業税、大臣許可・法人税)(個人:知事許可・個人事業税、大臣許可・申告所得税)
経営事項審査(経審)は、これを提出して審査を受けることになりますので、そのための要件として、建設業の財務諸表は「税抜き(免税事業者は税込み)」で作成しなければなりません。(経審を受けない場合は税込みで可。)
既に税込額で決算変更届を提出している事業者が経審を受ける場合は、決算変更届について訂正届出書を提出する必要があります。(免税事業者除く)そのため、経審を受ける予定がある場合、決算変更届はそれを前提に作成するよう心がけます。

建設工事ではない売上

建設業法第11条の決算変更届(事業年度終了届)で届け出る財務状況は、経営事項審査(経審)を受審するための経営状況分析で必須のものですが、建設工事でない売上は、完成工事高に含めて申請することはできません。
例えば、業務委託等(除雪、樹木の維持管理(剪定)、除草、清掃、電気設備等の保守点検及び各種委託業、不動産の販売(建売住宅の自社建設を含む)や建設資材の販売等の兼業部門)の売上高は、完成工事高に含めることができませんので、兼業売上として別に計上します。

決算変更届をしていない場合の罰則

未届けについて、建設業法第50条の罰則規定があります。
・6か月以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
・情状により、懲役及び罰金を併科することができる。
(又は個別に指導を行い、なお改善されなければ、建設業法に基づく監督処分の可能性。)(建設業法第28条)
実務上はこれらよりも、建設業の許可更新が受け付けてもらえない、業種追加の申請も受け付けてもらえない等が一番の影響かと思われます。


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