行政書士が使うべき申請CADソフトとは

昨日の建設工業新聞では、国土交通省は直轄事業の土木工事と設計業務を対象に、オンライン電子納品の運用を2020年内にも開始すると報道されました。
これは、建設CALS/ECで電子成果品の納入にインターネットを利用して、業務省力化や効率化を図るというものですが、この図面はCADで作成します。
CAD(computer-aided design)とは、パソコンを使って図面が描くツールです。
そして建設CALS/ECで電子納品により提出するCAD図面は、SXF(エスエックスエフ)というファイル形式で、拡張子がP21(ピーニジュウイチ)、もしくはSFC(エスエフシー)の2種類に決められています。
SXF(Scadec eXchange Format)は、CADデータ交換標準開発コンソーシアム(SCADEC)で開発された、異なるCADソフト間でのデータ交換を実現する標準フォーマットです。
主にP21形式は国土交通省や農林水産省など国家機関が採用し、SFC形式は主に都道府県などが採用しています。(どれを採用するかは、それぞれ発注者が決めています。)
役所から与えられるデータは上記、P21形式又はSFC形式になってきていますね。
P21で図面を作成するにあたり、国土交通省では川田テクノシステム株式会社のV-nas(ビーナス)というCADソフトを採用しています。
一方、環境系などのコンサル会社などでは拡張子がDWG(ディーダブルジー)形式であるautodesk社のAutoCAD(オートキャド)というCADソフトが多いです。
同じ図面を作成しても、ファイルサイズは一般的に、P21>SFC>DWGとなります。
しかし、申請に添付する図面を今のところ紙で提出することがほとんどである行政書士は、無料のCADソフトであるJW-CAD (ジェイダブルキャド)で十分かと思われます。
図面が必要な許認可には、例えば車庫証明の所在図・配置図、飲食店営業許可・風俗営業許可、民泊営業などが考えられます。
もちろん手書きも可能でしょうが、旅館業法の申請になると立面図も求められたりするので、手書きではなかなか…。
もっともJW-CAD は建築作図に特化した機能、たとえば柱と梁や壁などの包絡処理、建具や設備などの簡単作図機能などの便利な機能があり、昔から建築系、設備系で多く利用されてきました。
JW-CAD を使いこなすことで、風営許可申請に必要な店舗の平面図や客室求積図も確実なものが作成できると思います。
なおJW-CADは画像ファイルやPDFファイルでの保存ができないので、少しテクニックが必要ですね。
また、JW-CADは、現在の最新バージョンVersion 8.10bと、以前より安定動作版と言われているVersion 7.11の2つのバージョンがダウンロード可能になっています。
このVersion 7.11は比較的安定性のあるバージョンとして知られており、その後新しいバージョンが更新されても、今でもダウンロードが可能な状態になっています。
ですから、初めてJW-CADを使う場合には、Version 7.11をインストールしても特に問題はないということになります。
なお、JW-CADをインストールし、安定した動作をさせるには500GBのHDDと4GB以上のメモリー、Intel Core i5 2Hz以上のCPUが推奨されています。(ネット情報)
行政書士業務、特に許可申請業務を扱う行政書士にとっては、JW-CADは今は必須のツールかと思われます。
そしていずれ直接データを送信する時代もやってくると思いますし…。

2020年02月14日