改正建設業法の施行の一方で(債権法改正)

月の改正建設業法の施行ばかり追っていたのですが、そもそも遡って4月1日の債権法改正でも、建設業業界は大きく変わっています。
これまでの「瑕疵担保責任」が、「契約不適合責任」に変更になりました。
今までの「瑕疵」という用語は使われなくなり、「契約の内容に適合しないもの」に変わったわけです。
契約不適合責任の規定は、特定物・不特定物を問わず適用され、契約不適合の対象は原始的瑕疵に限られません。
工事監督の現役の頃は、ことある度に、瑕疵を口にしていたのですがね…。
民法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律
(国土交通省関係)
→ 第三百七条 「の瑕疵」を「が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合」に改める。
譲渡制限についても見直されています(譲渡制限特約が付されていても、債権の譲渡の効力は妨げられない)が、そこは建設工事標準請負契約約款で調整を図ります。
改正民法の譲渡制限特約は維持した上で、公共約款では、前払・部分払等によってもなお工事の施工に必要な資金が不足する場合には発注者は譲渡の承諾をしなければなりません。
こうした、建設業に係る部分が大きい4月改正については、(一社)日本建設業連合会より分かり易いパンフが昨年のうちに提供されています。
ダイジェスト版と詳細なパンフがあるのですが、建設業に最も関係の深い「請負」をはじめ、「消滅時効」「法定利率」「保証」「債権譲渡」「定型約款」「相殺」の7項目について、建設会社の視点で理解が深まる内容でした…。

2020年10月07日