取引の相手方を確認する方法

古物商または古物競りあっせん業者は取引の相手方を確認する義務

古物商(1号営業)または古物競りあっせん業者(3号営業)は取引の相手方を確認する義務があります。
相手方を確認するための措置は、以下のいずれかの方法で行わなければいけません。

  • 相手方からその住所が記載された文書の交付を受けること(古物営業法第15条第1項第2号)
    面前において、ボールペンなどの改ざんできない筆記用具により、相手方の住所、氏名、職業及び年齢が記載された文書へ署名させることで確認する方法です。(署名済み文書では、相手方の署名か判断できないため確認とならない。)
    この時に、氏名や住所を書く際に迷う素振りを見せるなど不審な点がある場合は、古物営業法第15条第1項第1号に規定する身分証明書などの提示により確認します。
  • 上記に準ずる措置として古物営業法施行規則で定めるもの
    その他の確認方法として、古物営業法施行規則第15条第3項第1号から第13号において規定されています。
    (以下、第7号まで抜粋)
    • 相手方から、その住所、氏名、職業及び年齢の申出を受けるとともに、その印鑑登録証明書及び当該印鑑登録証明書に係る印鑑を押印した書面の交付を受けること。(古物営業法施行規則第15条第3項第1号)
    • 相手方からその住所、氏名、職業及び年齢の申出を受け、並びにその者に対して、本人限定受取郵便物等を送付し、かつ、その到達を確かめること。(古物営業法施行規則第15条第3項第2号)
    • 相手方からその住所、氏名、職業及び年齢の申出を受け、並びにその者に対して金品を内容とする本人限定受取郵便物等を送付する方法により当該古物の代金を支払うことを約すること。(古物営業法施行規則第15条第3項第3号)
    • 相手方からその住所、氏名、職業及び年齢の申出を受けるとともにその住民票の写し、住民票の記載事項証明書、戸籍の謄本若しくは抄本、印鑑登録証明書、外国人登録原票の写し又は外国人登録原票の記載事項証明書(住民票の写し等)の送付を受け、並びに住民票の写し等に記載されたその者の住所にあてて配達記録郵便等で転送をしない取扱いをされるものを送付し、かつ、その到達を確かめること。(古物営業法施行規則第15条第3項第4号)
    • 相手方からその住所、氏名、職業及び年齢の申出を受けるとともにその住民票の写し等の送付を受け、並びに当該住民票の写し等に記載されたその者の氏名を名義人の氏名とする預貯金口座への振込み又は振替の方法により当該古物の代金を支払うことを約すること。(古物営業法施行規則第15条第3項第5号)
    • 相手方からその住所、氏名、職業及び年齢の申出を受けるとともにその身分証明書、運転免許証、国民健康保険被保険者証等その者の身元を確かめるに足りる資料の写しの送付を受け、当該資料の写しに記載されたその者の住所にあてて配達記録郵便物等で転送をしない取扱いをされるものを送付し、かつ、その到達を確かめ、並びに当該資料の写しに記載されたその者の氏名を名義人の氏名とする預貯金口座への振込み又は振替の方法により当該古物の代金を支払うことを約すること。(当該古物に係る法第16条の帳簿等又は電磁的方法による記録とともに当該資料の写しを保存する場合に限る。)(古物営業法施行規則第15条第3項第6号)
    • 古物営業法第15条第1項第1号から第3号まで又は前各号に掲げる措置をとった者に対し識別符号を付し、その送信を受けることその他のこれらの規定に掲げる措置をとった者を識別でき、かつ、その者に第三者がなりすますことが困難な方法により、相手方についてこれらの規定に掲げる措置を既にとっていることを確かめること。(古物営業法施行規則第15条第3項第7号)
  • 非対面における本人確認方法の追加
    インターネットやスマホアプリの普及により、非対面で行う取引が普及しています。
    便利である一方、非対面取引は「なりすまし」等のおそれがあり、その防止の目的から、新たに非対面取引における確認方法が追加されています。
    • 相手方から古物商が提供するソフトウェアを使用して、相手方の容貌及び写真付身分証明書などの送信を受けること(写真付身分証明書の画像データを取引の記録とともに保存する場合に限る)(古物営業法施行規則第15条第3項第8号)
    • 相手方から古物商が提供するソフトウェアを使用して、相手方の容貌の画像を送信させるとともに、当該相手方の写真付き身分証明書などでICチップが組み込まれたもので、その組み込まれたICチップ情報の送信を受けること(古物営業法施行規則第15条第3項第9号)
    • 相手方から地方公共団体情報システム機構が発行した電子証明書(マイナンバーカードに記録されたもの)と電子署名がおこなわれた当該相手方の住所、氏名、職業並びに年齢についての電磁的記録の提供を受けること(古物営業法施行規則第15条第3項第11号)
    • 相手方から公的個人認定法で電子署名の認証業務をおこなうとして認定を受けた署名検証者が発行した電子証明書と電子署名がおこなわれた当該相手方の住所、氏名、職業並びに年齢についての電磁的記録の提供を受けること(古物営業法施行規則第15条第3項第12号)
    • IDとパスワードの送信を受けることなどにより、相手方の真偽を確認するための措置を既に取っていることを確かめること(古物営業法施行規則第15条第3項第13号)

以下の場合には相手方の確認義務が免除されます。

  • 対価の総額が1万円未満の場合(ただし、一部の古物の場合を除く)
     買い取りなどの総額が1万円未満の場合には、相手方の確認義務が免除されます。
     ただし、以下の古物に関しては1万円未満でも相手方の確認義務がありますので注意が必要です。
     ・自動二輪車及び原動機付自転車(これらの部品を含む。ただし、ねじ、ボルト、ナットなどの汎用性の部品は除く。)
     ・テレビゲーム、パソコンゲーム等のゲームソフト
     ・音楽や映画のCDやDVD、レーザーディスクやブルーレイディスクなど
     ・書籍
  • 古物商自身が売却した物品を当該売却の相手方から買い取る場合
     古物商が古物を売った相手から、古物を買取る場合などは確認義務が免除されます。
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