古物営業許可申請書類ご案内
古物商の申請品目について
古物商の申請は、複数の品目を選ぶことができます。しかし、「この品目も扱いそうだからとっておこう」というのは、現実的ではありません。自分が得意な分野を扱うのが一番良いです。相場を理解していないと、利益が出る値段で仕入れられませんし、商品が売れ筋かというのもわかりません。許可する側としても、具体的に扱うもの以外の許可はしたくありませんし、適当に複数の品目を選んでも許可されない可能性が高いです。扱う品目について、一定程度の知識も求められますから、複数の品目を選択した分だけ、問い合わせも多くなります。
仮に多くの品目の許可を取得したとしても、盗難が発生したときなどは、警察からの取り調べや捜査が入り、品目が多ければ多いほど手間が増えます。そのため、後から品目が増えた場合に、「品目追加の変更申請」を、許可を受けた警察署へ行うのが現実的です。古物商許可で、品目を増やす申請は、比較的簡単にできます。
古物商の申請の法定書類
許可申請は、許可申請書と添付書類を提出する必要があります。個人や法人、営業形態等により必要になる書類が変わります。
添付資料(市区町村役場や法務局から取得する書類、申請者ご自身で用意いただく書類)
各種証明書や定款など、申請書類の一部として添付する定めがあるものです。各種証明書や定款など、公的な証明がほとんどですので、お客様ご自身において取得いただいても構いませんし、委任状による当事務所での取得も可能です。なお、申請の事情により、他の証明書等が求められる場合もあります。
そのほか、申請者ご自身で用意いただく書類は、申請書類の内容を裏付けるため適時添付することになるものです。申請者ご自身の日常業務の中で扱っている書類や資料が必要です。
住民票の写し | ・発行後3ヶ月以内のもの ・申請者本人または法人役員以外の者が営業所の管理者となる場合には管理者も必要 ・法人の場合は、監査役以外の役員全員 ・「世帯主との続柄」「本籍」の記載は不要 |
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市区町村長が交付する身元証明書(身分証明書) | ・発行後3ヶ月以内のもの ・申請者本人または法人役員以外の者が営業所の管理者となる場合には管理者も必要 ・法人の場合は、監査役以外の役員全員 |
登記されていないことの証明書(法務局発行) | ・発行後3ヶ月以内のもの ・申請者本人または法人役員以外の者が営業所の管理者となる場合には管理者も必要 ・法人の場合は、監査役以外の役員全員 |
登記事項証明書 | ・発行後3ヶ月以内のもの |
定款の写し | ・原本証明が必要 ・目的に「古物営業を営む」旨の内容の記載が必要※1 |
略歴書(個人、役員、管理者) | ・過去5年間の略歴を記入 ・法人の場合は、監査役以外の役員全員 ・申請者本人または法人役員以外の者が営業所の管理者となる場合には管理者についても略歴書が必要 |
誓約書(個人申請用、管理者用) | ・古物営業法第4条(許可の基準)に該当しない旨の誓約書面 ・申請者本人または法人役員以外の者が営業所の管理者となる場合には管理者も必要 ・法人の場合は、監査役以外の役員全員 ・個人申請で申請者が管理者を兼ねる場合には管理者用、役員の場合も同様に管理者を兼ねる者については管理者用 |
営業場所の賃貸契約書の写し | ・営業所が賃貸の場合など、使用権原の証明に必要(自社ビルや持ち家の場合は不要)※2 |
駐車場等保管場所の賃貸借契約書のコピー | ・自動車等の買取り場合、保管場所を確保している証明に必要(自宅や自社敷地内に保管する場合は不要)※3 |
URLの使用権原疎明資料 | ・ホームページを利用した古物の取引をする場合には、当該ホームページのURLの使用権原を証明するために必要 |
他、見取り図・写真等 | ・その他、営業方法や営業内容、営業所によって必要な場合 |
※1 古物営業を営む旨の目的が無い場合には、株主総会で決議した後に登記する必要があります。
※2 賃貸契約書の契約者が申請者とは違う場合、借主から当該営業所を古物営業の営業所として使用承諾している旨の内容の承諾書が必要です。また、マンションや集合住宅など、使用目的が「居住専用」となっている場所や「営業活動を禁止する」となっている場所は、「当該場所を古物営業の営業所として使用することを承諾する」旨の内容の承諾書が必要です。共有地も同様です。
※3 賃貸契約書の契約者が申請者とは違う場合、借主から当該営業所を保管場所として使用承諾している旨の内容の承諾書が必要です。また、自宅や自社敷地内に保管する場合は、保管場所の図面や写真等保管場所が確認できる資料の添付が必要になります。
ホームページ取引をする場合の届出
ホームページを利用した取引とは、取り扱う古物に関する事項をインターネットを利用して公開し、その買取りや売却の申し込みを電子メールや電話等の取引相手と非対面で行う方法で行うことです。従って、古物に関する事項を表示していない、売買の申し込みを対面で受けるという場合は、ホームページを利用した取引には当らないということになります。
ホームページを利用して取引をしようと行う場合は、そのホームページのURLを届け出ます。なお、ホームページを利用した取引を古物商が行う場合には、取り扱う古物に関する事項と共に、その氏名又は名称、許可をした公安委員会の名称及び許可証の番号を、そのホームページに表示しなければなりません。
届出が必要な場合
・自分自身でホームページを開設して、古物の取引を行う。
・自分ではホームページを開設しないが、他ホームページ内で固有のページの割り当てを受けて古物の取引を行う。(オークションサイトでストアを開設するなど。)
届出が不要な場合
・オークションサイトでストア開設せずに、単発で取引する。
・古物営業以外のホームページや企業を紹介するためなど、古物に関する事項を表示していない場合。
・古物に関する事項を表示しているが、非対面取引による売買を行わず、対面取引のみであることを明示している場合。
事後の届け出となる古物競りあっせん業(3号営業)
古物競りあっせん業(3号営業)の開業には、「許可」は必要ありません。古物競りあっせん業者は、営業開始の日から2週間以内に、営業の本拠となる事務所(当該事務所のない者にあっては、住所又は居所をいう)の所在地を管轄する公安委員会に「古物競りあっせん業開始届出書」を提出します。(添付書類は、法人と個人によって提出する添付書類が違うので、確認します。)
古物競りあっせん業の営業では、業務内容が「公安委員会が定める盗品等の売買の防止及び速やかな発見に資する方法の基準」に適合している場合、公安委員会から認定を受けることが可能です。認定を受けることで優遇措置は特にありませんが、サイト上に認定マークを表示することができるため、利用者へ安全性を訴えることができるというメリットが得られます。
営業所として使用する土地と建物
古物商の営業所として使用する土地または建物が他人名義で共有の場合は、共有者全員による使用承諾が必要です。ただし、それぞれ使用承諾書を用意する必要はなく、1枚の使用承諾書に連名で記載しても問題ありません。実務的には、複数枚で用意しても問題ありません。
役員一人の法人(株式会社等)で、その役員の土地建物を法人で使用している場合に、「法人で古物商を取得する」には、役員から法人への使用承諾書が必要になります。役員が一人の法人であっても、個人と法人は別人と考えて申請書類を準備する必要があります。
経由警察署とは
経由警察署とは、古物商の許可申請をした(許可証の交付を受けた)警察署です。県内に1箇所しか営業所を持たない場合には、許可申請や各種届出を提出する警察署も1箇所になりますのであまり意識しませんが、同一都道府県内に複数の営業所を設置する場合には、どこの警察署を経由警察署とするかは許可後の利便性に関わってきます。例えば、宮城県のA市とB市及びC市に営業所を持つ会社が、B市を管轄するB警察署に古物商の許可申請を行い許可を受けた場合は、B警察署が経由警察署になります。
一部の届出を除いて、変更の届出は経由警察署に提出しなければいけません。基本的には、許可申請書を提出した警察署は、その古物商にとって最も利便性の高い警察署を選んでいると思いますが(普通はわざわざ遠い警察署に申請しない)、同一都道府県内で複数の営業を設けて古物商の許可申請をする際は留意する必要があります。