経営状況分析申請

経営状況分析は登録機関に申請

経営状況分析は、企業の財務状況を一定の基準により点数化し評価したものです。
経営状況分析は、国や地方自治体といった公共機関が行うのではなく、国土交通大臣によって登録された分析機関にによって行われます。手数料など多少の違いはあるようですが、どこの機関に依頼すると「点数が高くなるとか低くなる」ということはありません。
経営状況分析を申請後、経営状況分析評点(Y点)が経営状況分析結果通知書により通知されます。

経営状況分析に必要な書類

経営状況分析を申請する際、初めての申請では、3期分の建設業の財務諸表の財務諸表や税務申告書類が必要になります。
以下、主な必要書類の例です。(分析機関によって若干の違いがあるようです。)
 ・建設業の財務諸表
   貸借対照表
   損益計算書
   兼業事業売上原価報告書
   完成工事原価報告書(法人の場合)
   株主資本等変動計算書(法人の場合)
   注記表(法人の場合)
 ・行政書士への委任状(代理人申請の場合)
 ・建設業許可通知書の写し
 ・当期減価償却実施額の確認書類
   法人:税務申告書類別表16(1)(2)
   個人:青色申告書の写し又は収支内訳書一式(白色申告用の写し)
 ・経営状況分析申請書(依頼する分析機関の様式)
経営状況分析機関は、経営状況分析評点(Y点)の算出のほか、国土交通大臣の定める基準により、各勘定科目に誤りがないかのチェックも行っています。

財務諸表の作成で留意する点

経営状況分析を申請するにあたり、特に「建設業の財務諸表」において、転記において留意する点があるようです。
・短期貸付金、短期借入金(長期・短期の区分等)
 いずれも決算期後1年以内に返済されると認められるものです。
 前年度と同じ(当初の返済期が1年を超え、又は超えると認められたもの)場合は、投資その他の資産(長期貸付金)に転記できます。
・未完成工事支出金
 建設工事に必要な材料や工事業者の施工費、足場や工事事務所などの仮設設備、廃材処分費など工事原価となるものですが、これがあまりに高額である場合、工事現場ごとの未完成工事支出金を求められることもあります。
・完成工事未収入金
 完成工事高に計上した工事に係る請負代金の未収額において、破産債権、再生債権、更生債権その他これらに準ずる債権で決算期後1年以内に弁済を受けられないことが明らかなものは、投資その他の資産に転記します。
 そのほか、流動資産と固定資産、流動負債と固定負債の区別や、完成工事原価に含めるべき経費(従業員給料手当等)の計上については、その内容を十分精査し適切に計上する必要があります。


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