申請書類ご案内
建設業の許可申請書類は、いかに要件を満足させるかが重要かつ煩雑なところです。要件を欠く申請は許可が下りませんし、逆に要件さえ整っていれば許可は下ります。
必要書類は、事業所ごと方法も異なりますので、許可を受けたい建設業の許可要件を満たすか、簡単なヒアリングをいたします。その後、法定書類のほかに、お客様にてご用意いただく添付資料や確認資料をご案内いたします。またお客様には申請書類に記載すべき情報のご提供をご準備いただきます。代理申請では、お客様からの委任状も必要です。
行政書士佐々木秀敏事務所は宮城県仙台市で建設業許可申請をサポートします。仙台市ほかの地区も相談にも対応いたします。
事前に申請のご要望についてヒアリングし、所管行政庁と十分に打ち合わせのうえ対応いたします。
建設業許可申請に必要な書類は、事業者様ごと異なります。新規の許可取得をご検討中の事業者様、すでに許可を取得をされている事業者様への各種変更手続のサポートを、ご事情に合わせて対応してまいります。
なお、許認可取得を条件とするご依頼はお受けすることが出来ません。
コンプライアンスに基づき日本国の法令に違反・抵触する恐れのある違法または不当なご依頼はお受けできません。
Commentary
建設業の許可の必要性
建設工事は、土木建築に関する工事で、建築一式・土木一式の一式工事の2業種、専門工事の27業種の29業種です。こののうち、土木工事業、建築工事業、電気工事業、管工事業、鋼構造物工事業、舗装工事業、造園工事業の7業種は、他の業種に比べて総合的な施工技術を必要とする事や社会的責任が大きい事などから、指定建設業に指定されます。一式工事は工作物の建設を一体的に請負い、総合的な企画・指導・調整を行う工事で、原則、元請け工事です。
※建築一式の許可で建築に関する専門工事、土木一式の許可で土木に関する専門工事が、そのままできるわけではありません。
※解体工事の追加に伴う経過措置期間は令和3年6月30日で終了しました。
「軽微な工事」のみしか請け負わない場合は、建設業許可は不要です。(建設業法第3条但書、建設業法施行令1条の2第1項)
事業主1人だけでの一人親方でも、軽微な工事の範囲を超えれば建設業許可が必要です。なお、許可が必要ない工事でも、他の法律による登録が必要な工事があるほか、建設工事にあたらない工事(作業)もあります。
知事許可と大臣許可
建設業許可には、都道府県知事許可と国土交通大臣許可があります。(建設業法第3条第1項)違いは、あくまでも許可上の営業所が、どこにいくつあるかという許可制度上の分け方です。個人事業主が同じ業種のまま法人成りしても、手続は必要です。
知事許可と大臣許可のどちらの許可でも、営業できる区域、または建設工事を施工する区域の制限はありません。知事許可の事業者であっても、他の都道府県において施工することが可能です。なお、他県に営業所があっても、建設業を営んでいない営業所や令3条の使用人及び専任技術者を配置していない営業所であれば、大臣許可ではなく知事許可です。
一般建設業と特定建設業
建設業の許可は、元請工事の施工に際しての下請契約の請負代金額の下限により、一般建設業と特定建設業に区分されます。(建設業法第3条第1項)
適正な施工・下請け業者の保護のため、一定額以上の工事を下請けに出す場合は、特定建設業の許可を必要とします 。
一般建設業でも特定建設業でも、発注者から請け負うことができる請負金額自体に上限はなく、下請として工事を請け負った場合の再下請負金額の総額にも制限はありません。
建設業の営業所と専任技術者、令3条使用人
建設業の営業所とは、本店又は支店若しくは政令で定めるこれに準ずるもの(建設業法施行令第1条による常時建設工事の請負契約を締結する事務所)をいい、定められた要件を備えているものです。会社登記している本店も、要件を満たさなければ営業所にはできず、逆に登記されていなくても、要件を満たせば営業所にできます。自宅を本店登記していている場合も、要件を満たせば建設業の許可は受けられます。
建設業許可業者が主たる営業所以外に営業所(従たる営業所)を設置する場合、国土交通大臣許可・都道府県知事許可を問わず、従たる営業所には令3条使用人(と専任技術者)を配置しなければなりません。
営業所には、専任技術者(専技)が常勤していなければなりません。専任技術者は、業務について専門的な資格や経験をもつ者で、一つの営業所に「専任性」をもって従事します。専任性は、その営業所に常勤し、もっぱらその業務に従事することです。つまり、営業所の専任技術者は、その営業所の常勤職員から選ばなければなりません。専任技術者は、許可を受けようとする建設業が一般建設業であるか特定建設業であるか、また建設業の種類により、それぞれ必要な資格等が異なります。
建設業許可の要件
建設業許可には5つの要件があります。また、適切な社会保険の加入も建設業許可の基準として加わりました。
要件1:建設業に係る経営業務の管理を適切に行うに足りる能力を有するものとして国土交通省令で定める基準に適合すること
要件2:営業所ごとに専任技術者がいること
要件3:財産的基礎または金銭的信用を有していること
要件4:請負契約に関して誠実性があること
要件5:欠格要件に該当しないこと
建設業許可取得後に必要な主な手続き
許可の取得後も必要な手続きがあります。許可取得後に必要となる主な手続きは、以下のとおりです。
毎事業年度終了後、4か月以内に決算変更届(事業年度終了届)を提出
・決算変更届
・前年の工事経歴書(様式)
・直前3年の工事施工金額(通称「直3」)(様式)
・財務諸表(様式:法人用と個人用は様式が異なります)
・事業報告書(株式会社の場合)
・納税証明書(知事許可は「事業税」、大臣許可は「法人税」又は「所得税」)
許可を継続する場合は、更新許可を申請(許可の有効期間は5年間)
商号、名称、役員、所在地などの変更の場合は、30日以内に変更届を提出
経営業務の管理に関する役員の交代などの変更や専任技術者の交替の場合は、14日以内に変更届を提出
業種を追加する場合は、業種追加を申請
一般建設業と特定建設業の区分を変更する場合は、般・特新規を申請
営業所の新設、廃止、所在地の変更等により、許可行政庁を異にすることとなった場合は、新たな許可行政庁に対する許可換え新規を申請
許可を受けた建設業を廃止した等の場合は、廃業届を提出
新・担い手3法による許可承継規定の見直し
建設業の働き方改革の促進、持続可能な事業環境の確保を目的に、建設業法の一部改正を中心する「新・担い手3法」が2019年6月に成立し、公布されました。
建設業の許可を受けるための要件は5つありますが、「新・担い手3法」では、経営業務管理責任者など許可基準の見直し(建設業法第7条関係)や承継規定の整備(建設業法第17条の2・第17条の3関係)など、大きく見直しています。
基本的に、個人で受けている建設業の許可は、個人に対して与えられたものです。たとえば許可を受けていた父個人が死亡した場合、相続人である長男でも、許可をそのまま引き継ぐことはできず、父の建設業許可について廃業届を提出し、長男が新規で許可申請を行う必要がありました。「新・担い手3法」では、建設業者が死亡した場合においても、死亡後30日以内に申請し許可を受けることで、相続人は被相続人の建設業者としての地位を承継することとしました。
また、建設業の譲渡や建設業者の合併・分割があった場合、事業を承継した者が、新たに建設業の許可を受ける必要がありました。
事業承継の円滑化を進める観点から、建設業の全部を譲渡合併分割する場合において、事前に国土交通大臣の認可を受けることにより、事業の承継の日に、この法律の規定による建設業者としての地位を承継することとしました。
建設業法施行規則の見直しによる申請手続き簡素化
国土交通省は行政手続コスト削減を目的に、2020年4月1日から、建設業法に基づく許可申請の書類や手続きを簡素化しています。
① 国家資格者等・監理技術者一覧表(新規・変更・追加・削除)
建設業法施行規則改正により、これまでは必要であった、様式第十一号の二「国家資格者等・監理技術者一覧表」及びその確認資料は提出が不要になりました。一覧表に記載された技術者一人ひとりについて確認資料(資格証や実務経験の裏付け資料等)が不要となり、かなり負担軽減になっています。
② 大臣許可申請等に係る都道府県経由事務が廃止
大臣許可に係る許可申請書等については、これまでは都道府県を経由して地方整備局へ提出されていたところ、いわゆる「第9次分権一括法」により、建設業法第44条の4(都道府県知事の経由)及び第44条の5(事務の区分)が削除され、国土交通大臣への建設業許可申請(新規、更新等)、決算変更届等の各種届出、経営事項審査申請は、各都道府県を経由せず、各地方整備局へ直接提出となりました。
③ 建設業許可事務ガイドラインの一部改正
確認書類の一部が提出不要になりました(国土交通大臣許可)。
(1)営業所を使用する権原を確認するための書類等
営業所の地図(営業所の所在地を明記し、最寄りの交通機関、公共、公益施設等の位置を明示した概略図)
営業所を使用する権原を確認するための書類(不動産登記簿謄本又は不動産賃貸借契約書等の写し)
(2)建設業法施行令第3条に規定する使用人の常勤性を確認する書類(健康被保険者証カード(両面)の写し等)
(3)経営業務管理責任者、専任技術者及び令3条に規定する使用人の住民票及び令3条に規定する使用人の委任状等
将来的には許可の電子申請も予定されていますし、手続きに関する書類や負担は少しずつ簡素化・合理化されていくのではないかと考えられます。
配置技術者の見直し(監理技術者制度運用マニュアル改正)(2020年10月1日より)
2020年10月1日の改正建設業法の施行を受け、「監理技術者制度運用マニュアル」の改正も行われています。特例監理技術者の配置による専任義務の緩和、3,500万円未満の特定専門工事(当面は鉄筋工事と型枠工事)限定ながら主任技術者の配置義務の見直しなどです。
監理技術者が必要となる工事は、元請として工事を受注し、下請契約の総額が4,000万円以上(建築一式工事の場合は6,000万円以上)の工事です。さらに旧建設業法では、請負代金額が3,500万円(建築一式工事にあっては7,000万円)以上の工事では、監理技術者は専任でなければならず、2つ以上の現場を兼務することができませんでした。改正建設業法では、監理技術者の職務を補佐する者として政令で定める者を専任で置いた場合、複数現場での兼務が認められました。
兼任可能な監理技術者は、「特例監理技術者」と呼ばれます。特例監理技術者としての責務は従前と変わりません。特例監理技術者は工事の工程管理、品質管理その他の技術管理など、従前の責務が適正に実施されるよう、監理技術者を補佐する者を指導しなければなりません。そうした補佐する者の要件、特例監理技術者が兼務できる現場の数は政令で定められています。
旧建設業法では、上位の下請が置く主任技術者により適正施工が確保される場合でも、下位の下請は主任技術者を置くことが必要でした。改正建設業法では、下請代金額が政令で定める一定の金額未満の建設工事(土木一式工事及び建築一式工事を除く。)のうち政令で定める特定専門工事(当面は鉄筋工事と型枠工事。)に限定して、上位の下請が一定能力を有する主任技術者を専任配置する等の要件を満たした場合は、下位の下請は主任技術者を置くことを要しません